Nissa,WorldWaker和訳⑤【ひとまず終わり】
2014年7月2日
元記事
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406272254516939/
第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:世間知らずのニッサちゃん殺意の波動に目覚める。
*
ニッサは振り返ると、シャーイールがナイフを取り出して命綱をひといきに切るのを見た。ニッサはロープが跳ねる音を聞き、シャーイールは自由落下で地面へと落ちて行った。
「あの化け物は私がやる、シャーイール!」ニッサは留め金を引き抜いて、ハーネスから抜け出た。
魔力がニッサの内側を波打ち、蔦が玉石の側面から爆発的な成長とともにのたうち、岩の内部深くに根を張った。ニッサはそれらを自らのものとし、もつれた蔦に乗って地面へと降りて行った。ニッサの下方で、シャーイールが帆凧を広げて鉤縄を手に、塵と岩の雲のなか立ち上がるエルドラージへと滑空して行った。
十人の旅行者たちはばらばらに散っていた。あるものはエルドラージが莫大な量の大地を空中へと持ち上げたせいで地面へと叩き付けられた。他のものは立ち尽くしていた。
あるものは混乱で逃げ出そうとした。誰一人行動できる前に、道滅ぼしは探検隊の何人かをつかみ取り、その触手のような手で握り潰した。
シャーイールは低空から襲いかかり、鉤を道滅ぼしのゴムのような肉に設置した。シャーイールが一連のきついらせん飛行を実行してロープによる拘束線を完成させたところで、エルドラージはシャーイールを叩き付けた。するとカリはエルドラージの脚の間をすり抜け、もうひとつの拘束線を描いた。生き残っている探検隊の戦士たちが何か致命的な器官に当たれと闇雲に矢を撃つようになると、エルドラージは大振りにコーを強打した。
「こんなんじゃ抑えられないわ、ジョラーガ!」カリは帆凧を岩肌に不時着させながら叫び、視界の外へ消えた。「なんとかしてちょうだい!」
ニッサは地面につき、走り始めた。自身の中に十分に満たされた力を感じ、残忍な笑みがその顔に浮かび上がった。自分があの自然の奇形種を破壊するのだ。何もかもを償わせてやる。倍返しにして。
コーのロープが弾けてエルドラージは自由になったが、その全ての音は地面が命を得た骨を揺るがす轟きに圧倒された。緑の火がニッサから大地へと噴き流れたのだ。ニッサは溜め込んだ自身の力が大きくなるのを感じ、そのすべてを自身の呪文に注ぎ込んだ。巨大な精霊がいくつかの塊から、峡谷の側面から自らを引き剥がしつつ、土埃のなか形をなした。エルドラージは振り返ったが、岩と根、そして泥でできた巨大な手に鷲掴みにされるだけであった。
ニッサはわずかな魔力でさえもその精霊に注ぎ込み、それがエルドラージを押しつぶすと同時に、それとともにあった自らの過去の痛みをも砕いた。ニッサは歯をかみしめた。こんな怪物の存在を、もう二度と許しはしない。もう二度とこの次元の傍観者とはならない。いや、あらゆる次元についてもだ。ゼンディカーは彼女の存在そのものへと流れ込み、その力は彼女の意志を明確にした。エルドラージはもがき、大地の巨人をひっかこうとしたが、精霊はより強く締め付けるだけだ。ニッサはさらに二体の精霊を大地の轟きのなか呼び出した。高くそびえる巨獣がのたうつエルドラージに近づき、エルドラージは空気を切り裂くようなスタッカートの音の突風をあげた。しかしその音は、他二つの巨体が道滅ぼしを認識できない肉のよじれた塊に変えるとすぐに途切れた。
塵が収まると、シャーイールはニッサを見た。
「ワオ」
――――――――――
シャーイールが道滅ぼしの巨大な死体を詳しく調査している間、カリ、アリーラ、バークートは生き残った探検隊のメンバーを看護していた。ハマディは長い蔦の道をよじ降り、ニッサはその足元で彼にあった。
「大地があんたに語りかけてたってのは知ってた」ハマディは笑いながら言った。「だけど、実際にあんたのところまで殴り込んでくるだなんてな!」
「ハマディ、私は嘘はつかないが」ニッサは眉の汗を拭いて言った。「これは実にいいぞ」
「ゼンディカーはあいつらから自由になりたがってた。だからあんたに自身の力を分け与える。そんな奴は俺は見たことがない」ハマディはニッサの肩をポンポンと叩いた。「ゼンディカーはお前を選んだんだよ、シャヤ」
「その言葉の意味を教えてくれるという話だったな?」ニッサは聞いた。
ハマディは微笑んだ。
「『世界を目覚めさせる者/Worldwaker』さ」
*
ちょっと一部適当。
公式記事が来たらまた一人反省会みたいのやるかもしれません。
ゼンディカーの話ではニッサは完全にやっちゃった娘という印象ですが、
エルドラージからの解放を望むゼンディカーの大地はニッサに感謝していた、
だからエルドラージとともに戦う仲間としてニッサを選んだというのは実際熱いゾ!
あと戦闘シーンというかエルドラージがやられる描写が、とってもアメリカンですね。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
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第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:世間知らずのニッサちゃん殺意の波動に目覚める。
*
ニッサは振り返ると、シャーイールがナイフを取り出して命綱をひといきに切るのを見た。ニッサはロープが跳ねる音を聞き、シャーイールは自由落下で地面へと落ちて行った。
「あの化け物は私がやる、シャーイール!」ニッサは留め金を引き抜いて、ハーネスから抜け出た。
魔力がニッサの内側を波打ち、蔦が玉石の側面から爆発的な成長とともにのたうち、岩の内部深くに根を張った。ニッサはそれらを自らのものとし、もつれた蔦に乗って地面へと降りて行った。ニッサの下方で、シャーイールが帆凧を広げて鉤縄を手に、塵と岩の雲のなか立ち上がるエルドラージへと滑空して行った。
十人の旅行者たちはばらばらに散っていた。あるものはエルドラージが莫大な量の大地を空中へと持ち上げたせいで地面へと叩き付けられた。他のものは立ち尽くしていた。
あるものは混乱で逃げ出そうとした。誰一人行動できる前に、道滅ぼしは探検隊の何人かをつかみ取り、その触手のような手で握り潰した。
シャーイールは低空から襲いかかり、鉤を道滅ぼしのゴムのような肉に設置した。シャーイールが一連のきついらせん飛行を実行してロープによる拘束線を完成させたところで、エルドラージはシャーイールを叩き付けた。するとカリはエルドラージの脚の間をすり抜け、もうひとつの拘束線を描いた。生き残っている探検隊の戦士たちが何か致命的な器官に当たれと闇雲に矢を撃つようになると、エルドラージは大振りにコーを強打した。
「こんなんじゃ抑えられないわ、ジョラーガ!」カリは帆凧を岩肌に不時着させながら叫び、視界の外へ消えた。「なんとかしてちょうだい!」
ニッサは地面につき、走り始めた。自身の中に十分に満たされた力を感じ、残忍な笑みがその顔に浮かび上がった。自分があの自然の奇形種を破壊するのだ。何もかもを償わせてやる。倍返しにして。
コーのロープが弾けてエルドラージは自由になったが、その全ての音は地面が命を得た骨を揺るがす轟きに圧倒された。緑の火がニッサから大地へと噴き流れたのだ。ニッサは溜め込んだ自身の力が大きくなるのを感じ、そのすべてを自身の呪文に注ぎ込んだ。巨大な精霊がいくつかの塊から、峡谷の側面から自らを引き剥がしつつ、土埃のなか形をなした。エルドラージは振り返ったが、岩と根、そして泥でできた巨大な手に鷲掴みにされるだけであった。
ニッサはわずかな魔力でさえもその精霊に注ぎ込み、それがエルドラージを押しつぶすと同時に、それとともにあった自らの過去の痛みをも砕いた。ニッサは歯をかみしめた。こんな怪物の存在を、もう二度と許しはしない。もう二度とこの次元の傍観者とはならない。いや、あらゆる次元についてもだ。ゼンディカーは彼女の存在そのものへと流れ込み、その力は彼女の意志を明確にした。エルドラージはもがき、大地の巨人をひっかこうとしたが、精霊はより強く締め付けるだけだ。ニッサはさらに二体の精霊を大地の轟きのなか呼び出した。高くそびえる巨獣がのたうつエルドラージに近づき、エルドラージは空気を切り裂くようなスタッカートの音の突風をあげた。しかしその音は、他二つの巨体が道滅ぼしを認識できない肉のよじれた塊に変えるとすぐに途切れた。
塵が収まると、シャーイールはニッサを見た。
「ワオ」
――――――――――
シャーイールが道滅ぼしの巨大な死体を詳しく調査している間、カリ、アリーラ、バークートは生き残った探検隊のメンバーを看護していた。ハマディは長い蔦の道をよじ降り、ニッサはその足元で彼にあった。
「大地があんたに語りかけてたってのは知ってた」ハマディは笑いながら言った。「だけど、実際にあんたのところまで殴り込んでくるだなんてな!」
「ハマディ、私は嘘はつかないが」ニッサは眉の汗を拭いて言った。「これは実にいいぞ」
「ゼンディカーはあいつらから自由になりたがってた。だからあんたに自身の力を分け与える。そんな奴は俺は見たことがない」ハマディはニッサの肩をポンポンと叩いた。「ゼンディカーはお前を選んだんだよ、シャヤ」
「その言葉の意味を教えてくれるという話だったな?」ニッサは聞いた。
ハマディは微笑んだ。
「『世界を目覚めさせる者/Worldwaker』さ」
*
ちょっと一部適当。
公式記事が来たらまた一人反省会みたいのやるかもしれません。
ゼンディカーの話ではニッサは完全にやっちゃった娘という印象ですが、
エルドラージからの解放を望むゼンディカーの大地はニッサに感謝していた、
だからエルドラージとともに戦う仲間としてニッサを選んだというのは実際熱いゾ!
あと戦闘シーンというかエルドラージがやられる描写が、とってもアメリカンですね。
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