漫画であろうとアニメであろうとMTGの環境についてであろうと、何かを見たときの思考を正確に記述しようと試みることは、目の前のものをそのように感じる結果を生んだ自分の好み(=偏見)と、そう感じる理由を推測する自身の思考回路の論理的な不完全さを浮き彫りにしてくれます。


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◆マクロスΔ
まだ1話しか見てませんが、すげえ面白かったです。方言ヒロインかわいい。

明らかに説明を端折っている場所が少なくとも3点(アイドルの能力、敵の戦闘機集団の正体、ウィンダミア?星人について)ありますが、それらの説明を無視してでも派手でぶっ飛んだ要素を盛り込んでハイスピードな展開にしており、そして異常なテンションで進む1話を見る限りそれは正解だったように見受けられます。観終わったあとに30分しか経っていないことが信じられないほどの密度がありました。

とはいえ主人公から見た物語の進行のために最低限必要な要素は説明しており、具体的には(直後に戦うことになる)ヴァールの説明、主人公の説明、方言ヒロインの可愛さ、方言ヒロインの動機、方言ヒロインの可愛さ、そのほかの登場人物(ワルキューレ&デルタ小隊)の紹介、方言ヒロインの可愛さ、敬語ヒロインの登場、敬語ヒロインの可愛さあたりですかね。主人公がロボに乗り込める理由(緊急時のため、怪我した搭乗者がを運び出す際にセキュリティロックを解除している)も説明してますし、限られた尺の中で優先して説明すべき要素と後回しにしても許されるものを厳選していることが窺えます。
ただこの説明不足が許されるのは多分に「のちに説明されるであろう」というシリーズブランドへの信頼ゆえなので、新人作家とかがやったらクソ呼ばわりされること請け合いですね。

戦闘シーンは端的に言って頭のおかしい演出ばかりですが、アイドルに散々サイヤ人させたあとでバルキリーのアクションシーンに移行、そこで踊って格闘からのミサイル回避&変形飛行の流れは、予想外→お約束→お約束の斜め上→そしてさらなるお約束というエンターテインメントの基本に忠実なつくりです。

シリーズの枠組みを守りながら、同時にその枠を破ってチャレンジしようという姿勢にも非常に好感が持て、割と無難な1話だった記憶のあるマクロスFと違ってシリーズそのものに興味がわく1話でした。
当然のごとくシリーズファンからも賛否両論らしいですが、おそらくこのシリーズは常に枠組みを破ってぶっとんだことをやろうとしているので、そんな以前の作品に感動するあまり、その枠をさらに破った次の作品に対して「○○と違う!クソ!見る価値なし!」という人間にはなりたくないものですね。

ちなみにヒロインを掴んだまま飛ぶシーンはシリーズのお約束らしいんですが、ショック吸収的な機構の描写ってないんですかね。
他のSF描写に比べてそこだけ明らかに一段落ちている(そのうえ描写するのがそれほど困難とも思えない)のですが、過去作であったから省略されているのかお約束だからスルーされているのか。
あとは最初に方言ヒロインがいた貨物が踊りのGを吸収しているのも技術なんでしょうが、そのへんもね。


◆キズナイーバー
マクロスΔとは対照的に、何も物語が進んでいないのに語りとテンポだけで魅せ、
あっという間に30分経ってしまう1話でした。これはこれですごいことなんですよ。

1話は実質何もしていないので今後に期待枠ですが、まあ滑ることはないでしょう。
アニメというのは少年少女向けのものなので語りの内容が若干イタめなのは自分にとっては気にならないです。
気にならないことに理由を添えている時点で気にはなったということですが…


◆甲鉄城のカバネリ
監督もスタッフも進撃の巨人の人々らしいですね。まあ確かに似てます。
似ているというマイナス点を除けば1話は単体で観ればとんでもない情報量で、
しかも画面の全体にまんべんなく情報が分布しています。

これは良くも悪くも劇場クオリティというほかなく、スクリーン意外が暗い劇場で2時間観るには向いているものの、ディスプレイ(ウィンドウ)周辺のものに気を散らされながらテレビやPC・スマホで観るとやや高カロリーである感は否めません。

週に一回30分区切りで放送し、計13話を合計すると逆に劇場よりも長尺になるという形式も、映像の質そのものが作品に占める比重を下げていきます。(要は映像美に慣れるのでそこで何をやるかorストーリーが重要になります)

シナリオ面ではウィルスの遮断描写が気になりましたね。
最後の首絞めは多分感染力は高いけど脳に至らなければ死滅も早いという意味なんでしょうが、周囲の人々がそれを知らないのはいいとしても、主人公がそれを知ることができる経緯は説明されてなかったと思われます。十数秒間耐えればOKという確信がないなら腕を斬り離すべきでしょうし(そういうタイプの人物であるように描写されていた)。
カバネの破片から頚動脈が太くなっていることを発見していましたが、それだけから上記の結論は導かれない、はず…

とはいえスチームパンク日本という世界観は熱いし、確かな技術の上で動く美樹本キャラは世代が回りすぎて逆に新鮮です。
今後映像以外の価値を提供できれば神作品になれるんじゃないでしょうか。


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いろいろと言いつつアニメだけだったぜ!

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