【心が折れそうだ・・・】Nissa,WorldWaker和訳②
2014年6月29日コメント (2)
元記事
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406272254516939/
第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:ニッサがピンチ。
*
ニッサは治癒の力を何らかの形で呼び起こすためにマナを引き出そうとしたが、すでに力は枯渇している。次元渡りは論外だ。ニッサができたことは小さな癒しの輝きで痛みを和らげることだけだったが、それでも彼女の最後の備えの魔力を搾り取ってしまうには十分だった。彼女は疲弊して、自身の血でぬかるみとなった地面に倒れ込んだ。絶望の中、彼女は幾度かエルドラージの襲撃から逃げ果せた存在がいないか呼びかけた。人間(※)でも、動物でも。しかし誰も答えなかった。呼吸しようとするたびに泥と灰の味が口を満たし、心臓の鼓動のたびに自らの生命が遠ざかっていくように感じた。そして彼女は、ウラモグの巨大な姿が折れた樹々の向こうに暗い雲のごとく広がり、ゼンディカーの太陽のかすんだ光を隠すまでになるのを見た。その影が彼女を通り過ぎると、水晶を噛むような音が聞こえてきた。ゼンディカーから生命を貪り、破壊の痕跡を刻み続むたびに生じる音だ。つんとする嫌な匂いがして、胃が痙攣するようだった。
涙が頬を伝った。ニッサ・レヴェインは渦巻く、煙にまみれた空を見上げ、自らの死を待っていた。
野性的な眼の、泥で縞模様をつけた人間の顔が、彼女を見た。ごつごつした手が彼女の手を取った。ニッサは動くには弱り切っていた。その人間は、巨人の立てる例の噛むような音が近づくなか背後へと叫んだ。
「バークート! アリーラ! こっちだ」
彼はニッサへと向き直った。ごつごつした手が彼女の顔に触れると、ニッサは生命の力が彼から流れ込んでくるように感じられた。
「死ぬなよ。ここから出してやる」
「カルニの加護がありますように」ニッサは言い、そして意識を失った。
――――――――――
慣れない匂いと音に、ニッサは目覚めた。おそるおそる動かすと、脚が痛む。周囲を見た。弱ってはいるが、自身の力がほんの少し回復しているのを感じた。
足音が近づいてくるのが聞こえてきた。テントの入り口がめくれ、大きな褐色の肌の人間が入ってきた。ニッサを木の下から助け出した男だ。
「起きたのか」彼は微笑んだ。「いいことだ」
「ここはどこだ?」ニッサは言った。
誰も信用するな。たとえその人間が彼女を救った人物だとしても、古いジョラーガの本能が残っているのだ。
彼女は自身が隙だらけであると感じた。毛皮の下は裸であり、自身の力も回復したとはとても言えない状態であることを知っていた。
その人間は彼女の不安を察し、両手を上げた。
「落ち着け。あんたはまだ療養中の身だ」彼はニッサの衣類を近くのスツールから拾い上げ、彼女の近くに置いた。ゆっくりと慎重に動きながら、彼は話した。「ここはジャレーシュから1日ほどのところだ。俺の名はハマディ。あんたはここなら安全だ」
「私の一族は・・・・・・」
あの記憶のせいで、一瞬躊躇した。彼女は自身にその質問をするように強いた。
「私の一族に何が起きたかわかるか?」
ハマディは彼女を見て、彼女がすでに知っていることを告げた。「ウラモグがいたんだ。谷にも、森にも。エルドラージは、灰しか残さない。悪いが、俺達が見た限りでは、ジョラーガはもう終わりだ」
――――――――――
ニッサは樹々を登っていた。脚はまだどこか固いが、その力は回復していた。動き回って、森が深緑のタペストリーのように彼女の周囲を流れすぎて行くのを再び感じるのはよいことだ。ハマディは彼女のあとについて歩いていた。人間にしては、あまり雑音を立てずに。
「あそこだ」彼は言った。
ニッサは深い森の向こう側を見ると、ずっと高いところに岩が露出しているのが見えた。樹々が山の花崗岩に道を譲っているようだ。
「あの岩棚の方まで行けって?」ニッサは言った。「あなたは自分の癒しの力に余程自信があるようだな、ドルイド」ニッサは顔をしかめてハマディを見た。彼は笑っているのだ。
「俺は信じているのはあんたの意志さ、シャヤ」ハマディは言い返した。
「いい表現だな」ニッサはにやにや笑いながら言った。「ところで、シャヤとは?」
ハマディは含み笑いをしていた。「あとで教えてやるよ、シャヤ」
*
これで半分くらい終わったか? なんか助かり方が適当だな。
次回へ続く。
(※)humanではなくhumanoidとなっており、おそらく人間だけではなくエルフ・吸血鬼・マーフォークなどをまとめて指している。がそれに応じた日本語など知らん。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
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第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:ニッサがピンチ。
*
ニッサは治癒の力を何らかの形で呼び起こすためにマナを引き出そうとしたが、すでに力は枯渇している。次元渡りは論外だ。ニッサができたことは小さな癒しの輝きで痛みを和らげることだけだったが、それでも彼女の最後の備えの魔力を搾り取ってしまうには十分だった。彼女は疲弊して、自身の血でぬかるみとなった地面に倒れ込んだ。絶望の中、彼女は幾度かエルドラージの襲撃から逃げ果せた存在がいないか呼びかけた。人間(※)でも、動物でも。しかし誰も答えなかった。呼吸しようとするたびに泥と灰の味が口を満たし、心臓の鼓動のたびに自らの生命が遠ざかっていくように感じた。そして彼女は、ウラモグの巨大な姿が折れた樹々の向こうに暗い雲のごとく広がり、ゼンディカーの太陽のかすんだ光を隠すまでになるのを見た。その影が彼女を通り過ぎると、水晶を噛むような音が聞こえてきた。ゼンディカーから生命を貪り、破壊の痕跡を刻み続むたびに生じる音だ。つんとする嫌な匂いがして、胃が痙攣するようだった。
涙が頬を伝った。ニッサ・レヴェインは渦巻く、煙にまみれた空を見上げ、自らの死を待っていた。
野性的な眼の、泥で縞模様をつけた人間の顔が、彼女を見た。ごつごつした手が彼女の手を取った。ニッサは動くには弱り切っていた。その人間は、巨人の立てる例の噛むような音が近づくなか背後へと叫んだ。
「バークート! アリーラ! こっちだ」
彼はニッサへと向き直った。ごつごつした手が彼女の顔に触れると、ニッサは生命の力が彼から流れ込んでくるように感じられた。
「死ぬなよ。ここから出してやる」
「カルニの加護がありますように」ニッサは言い、そして意識を失った。
――――――――――
慣れない匂いと音に、ニッサは目覚めた。おそるおそる動かすと、脚が痛む。周囲を見た。弱ってはいるが、自身の力がほんの少し回復しているのを感じた。
足音が近づいてくるのが聞こえてきた。テントの入り口がめくれ、大きな褐色の肌の人間が入ってきた。ニッサを木の下から助け出した男だ。
「起きたのか」彼は微笑んだ。「いいことだ」
「ここはどこだ?」ニッサは言った。
誰も信用するな。たとえその人間が彼女を救った人物だとしても、古いジョラーガの本能が残っているのだ。
彼女は自身が隙だらけであると感じた。毛皮の下は裸であり、自身の力も回復したとはとても言えない状態であることを知っていた。
その人間は彼女の不安を察し、両手を上げた。
「落ち着け。あんたはまだ療養中の身だ」彼はニッサの衣類を近くのスツールから拾い上げ、彼女の近くに置いた。ゆっくりと慎重に動きながら、彼は話した。「ここはジャレーシュから1日ほどのところだ。俺の名はハマディ。あんたはここなら安全だ」
「私の一族は・・・・・・」
あの記憶のせいで、一瞬躊躇した。彼女は自身にその質問をするように強いた。
「私の一族に何が起きたかわかるか?」
ハマディは彼女を見て、彼女がすでに知っていることを告げた。「ウラモグがいたんだ。谷にも、森にも。エルドラージは、灰しか残さない。悪いが、俺達が見た限りでは、ジョラーガはもう終わりだ」
――――――――――
ニッサは樹々を登っていた。脚はまだどこか固いが、その力は回復していた。動き回って、森が深緑のタペストリーのように彼女の周囲を流れすぎて行くのを再び感じるのはよいことだ。ハマディは彼女のあとについて歩いていた。人間にしては、あまり雑音を立てずに。
「あそこだ」彼は言った。
ニッサは深い森の向こう側を見ると、ずっと高いところに岩が露出しているのが見えた。樹々が山の花崗岩に道を譲っているようだ。
「あの岩棚の方まで行けって?」ニッサは言った。「あなたは自分の癒しの力に余程自信があるようだな、ドルイド」ニッサは顔をしかめてハマディを見た。彼は笑っているのだ。
「俺は信じているのはあんたの意志さ、シャヤ」ハマディは言い返した。
「いい表現だな」ニッサはにやにや笑いながら言った。「ところで、シャヤとは?」
ハマディは含み笑いをしていた。「あとで教えてやるよ、シャヤ」
*
これで半分くらい終わったか? なんか助かり方が適当だな。
次回へ続く。
(※)humanではなくhumanoidとなっており、おそらく人間だけではなくエルフ・吸血鬼・マーフォークなどをまとめて指している。がそれに応じた日本語など知らん。
コメント
面倒臭さと毎週やってもよいレベルの楽しさが同居している複雑な気持ちです。