元記事
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406272254516939/
第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:ハマディハマディ。
*
ニッサとハマディは森を見下ろす岩棚に座り、ナッツや乾燥果実、チャクリ(※)の根を食べた。ニッサはその根から、疲れきった筋肉をほぐすような活力を感じた。
「あなたは親切なんて言葉では言い表せないな」しばらくしたあと、ニッサは言った。「ありがとう」
「もう時代が変わったんだ。ゼンディカー人同士が互いに戦う日々は過ぎ去ったんだ」ハマディはニッサにさらなる食糧を渡しながら言った。「俺達が互いに手を取り合って過ごすことを学ぶためには、エルドラージのような化け物が必要だった。あいつらがいい教師なのか、あるいは俺達が手に負えない生き物なのか、そういうことだろ?」彼は笑った。
「誰の心のなかにも、この手の部族主義があると思っている。孤立して分離を求めるんだ」ニッサは森を見下ろした「ジョラーガは私達が生まれた瞬間からそれを刷り込んだ。『余所者を決して信じるな』それが私がずっと・・・永遠に聞いてきたことだ。それから随分と時が過ぎた、ハマディ。そんな小さな人生観を持ち続けるには、色々なものを見すぎてしまったみたいだ。特に、あなたが見せてくれた厚意のような」
ハマディは微笑み、少し動きを止めて手に取った乾燥果実のひとかけらを見た。「俺は灰色皮、変わり樹の大森林のすぐ外側の出身だ」ハマディは果実を口に放り込んだ。
「すまない、ハマディ」ニッサは言った。「あなたの同胞のことは知っている。そこを旅したことがある」
「狭い世界さ、シャヤ」ハマディは言った。「知っての通り、俺達は狩人や案内人としては悪くなかった。だけど俺達は生きて留まっているマナに手を出した。俺達の魔法は土地に縛られていて、樹々が俺達に恵んでくれたものは、俺達が返せるよりも多かった」
ハマディは岩にもたれかかり、水袋からひとくち飲んだ。
「マナに飢えた遠征商が、交易のためにたくさん来た。あのときは、ポーチも胃袋も満たされていた。俺達のテントは暖かかった。頂点に上り詰めたと思ったね。そう、頂点。だけど偽物だった。俺達の一族も、遠征商も、みんな目が眩んでいた」
ハマディは水袋をしまい、続けた。
「巨人の惨害についての噂は聞いていたさ。だけど信じなかった。実際に奴らが現れるまで、あんな話が真実だなんてどうやって信じればいい?エルドラージが現れて俺達の一族を皆殺しにするなんて、考えもしなかった」ハマディはため息をついた。「俺達は短命で視野も狭いんだ、シャヤ。あの巨人を見て、俺達のどんな想像をも超えた現実があるって知った。そんなものにどうやって備えればよかったんだ」
ハマディは少しの間頭をうなだれて、ニッサを見た。
ニッサはしかし、目を合わせられなかった。彼の話を聞くと、身体の中に痛みがこみ上げ、喉元に留まり続けた。彼女はそのすべてに責任があった。彼の喪失のすべて、ゼンディカーの惨状のすべてに。ハマディは彼女を、ジョラーガのエルフを、確かな死から救ってくれた。彼は自らの生命を危険にさらして、彼女の生命を救ってくれたのだ。暗い記憶が、あらゆる最悪の場所からニッサの精神の中へと這いずり込み始めた。あらゆる彼女の失敗、彼女の愚かな選択、利己性と傲慢さが、はらわたの中へと重しのように注ぎ込まれた。彼女は自らの過去の網に絡まっている。エルドラージに出くわした多くの罪のない人々の遺体でいっぱいになった過去の。彼らを全員、救うことができたはずなのに。
「ハマディ」彼女は膝を抱きかかえながら、言った。「本当にすまない」
*
すいませんこれ5分割になります。
ハマディさんは自分たちの行いがエルドラージに関係したと考えているんだろうか。
(※)植物のことなんだろうが謎。ぐぐってもインドの音楽プロデューサーとインドの菓子しか出て来ない。しかもその音楽プロデューサーがあまりにプロデューサーっぽい外見なので画像を添付しておく。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406272254516939/
第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ:ハマディハマディ。
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ニッサとハマディは森を見下ろす岩棚に座り、ナッツや乾燥果実、チャクリ(※)の根を食べた。ニッサはその根から、疲れきった筋肉をほぐすような活力を感じた。
「あなたは親切なんて言葉では言い表せないな」しばらくしたあと、ニッサは言った。「ありがとう」
「もう時代が変わったんだ。ゼンディカー人同士が互いに戦う日々は過ぎ去ったんだ」ハマディはニッサにさらなる食糧を渡しながら言った。「俺達が互いに手を取り合って過ごすことを学ぶためには、エルドラージのような化け物が必要だった。あいつらがいい教師なのか、あるいは俺達が手に負えない生き物なのか、そういうことだろ?」彼は笑った。
「誰の心のなかにも、この手の部族主義があると思っている。孤立して分離を求めるんだ」ニッサは森を見下ろした「ジョラーガは私達が生まれた瞬間からそれを刷り込んだ。『余所者を決して信じるな』それが私がずっと・・・永遠に聞いてきたことだ。それから随分と時が過ぎた、ハマディ。そんな小さな人生観を持ち続けるには、色々なものを見すぎてしまったみたいだ。特に、あなたが見せてくれた厚意のような」
ハマディは微笑み、少し動きを止めて手に取った乾燥果実のひとかけらを見た。「俺は灰色皮、変わり樹の大森林のすぐ外側の出身だ」ハマディは果実を口に放り込んだ。
「すまない、ハマディ」ニッサは言った。「あなたの同胞のことは知っている。そこを旅したことがある」
「狭い世界さ、シャヤ」ハマディは言った。「知っての通り、俺達は狩人や案内人としては悪くなかった。だけど俺達は生きて留まっているマナに手を出した。俺達の魔法は土地に縛られていて、樹々が俺達に恵んでくれたものは、俺達が返せるよりも多かった」
ハマディは岩にもたれかかり、水袋からひとくち飲んだ。
「マナに飢えた遠征商が、交易のためにたくさん来た。あのときは、ポーチも胃袋も満たされていた。俺達のテントは暖かかった。頂点に上り詰めたと思ったね。そう、頂点。だけど偽物だった。俺達の一族も、遠征商も、みんな目が眩んでいた」
ハマディは水袋をしまい、続けた。
「巨人の惨害についての噂は聞いていたさ。だけど信じなかった。実際に奴らが現れるまで、あんな話が真実だなんてどうやって信じればいい?エルドラージが現れて俺達の一族を皆殺しにするなんて、考えもしなかった」ハマディはため息をついた。「俺達は短命で視野も狭いんだ、シャヤ。あの巨人を見て、俺達のどんな想像をも超えた現実があるって知った。そんなものにどうやって備えればよかったんだ」
ハマディは少しの間頭をうなだれて、ニッサを見た。
ニッサはしかし、目を合わせられなかった。彼の話を聞くと、身体の中に痛みがこみ上げ、喉元に留まり続けた。彼女はそのすべてに責任があった。彼の喪失のすべて、ゼンディカーの惨状のすべてに。ハマディは彼女を、ジョラーガのエルフを、確かな死から救ってくれた。彼は自らの生命を危険にさらして、彼女の生命を救ってくれたのだ。暗い記憶が、あらゆる最悪の場所からニッサの精神の中へと這いずり込み始めた。あらゆる彼女の失敗、彼女の愚かな選択、利己性と傲慢さが、はらわたの中へと重しのように注ぎ込まれた。彼女は自らの過去の網に絡まっている。エルドラージに出くわした多くの罪のない人々の遺体でいっぱいになった過去の。彼らを全員、救うことができたはずなのに。
「ハマディ」彼女は膝を抱きかかえながら、言った。「本当にすまない」
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すいませんこれ5分割になります。
ハマディさんは自分たちの行いがエルドラージに関係したと考えているんだろうか。
(※)植物のことなんだろうが謎。ぐぐってもインドの音楽プロデューサーとインドの菓子しか出て来ない。しかもその音楽プロデューサーがあまりにプロデューサーっぽい外見なので画像を添付しておく。
コメント
炎の魔剣士slv1だよ!