http://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissa-worldwaker-2014-06-25
第一回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406272254516939/
第ニ回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406292359024646/
第三回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201406302353514519/
第四回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407012354057647/
第五回
http://madeinhorie.diarynote.jp/201407020140051503/
公式
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010802/
前回のあらすじ：チャクリというインドの大物音楽プロデューサーの容姿について。
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ニッサは山道に沿って、ハマディとバークートとアリーラと、そしてコーの双子を追っていた。ニッサは足元にゼンディカーを感じていた。まるで内部でやがて生まれてくる獣が動いているかのように落ち着きがなかった。ニッサは道の遥か前方に、大量の山々が浮かび回転しているのを見た。
「お互いをロープで結んだ方が良さそうね。重力場よ」カリという名のコーが言った。彼女の双子の兄弟であるシャーイールは決して喋ろうとはせず、かすかな手信号を使うか、それすらもしないことを好むようだった。
カリとシャーイールは荷物を外した。シャーイールはロープと鉤、革ひもを取り出し、自分の姉妹がハマディ、バークート、アリーラやニッサの支度をしているところに手渡した。
「空登りをしたことはある、ジョラーガ？」カリはニッサのハーネスについた革ひもを固定しながら言った。
「地面から離れるのは嫌いだ」ニッサは言った。「だがエルドラージの方が遥かに嫌だな」
「じゃ、あのクソ野郎どもをぶっつぶすことだけ考えてなさい。そうすれば上手く行くわ」カリは笑って革ひもをきつく引っぱり、ニッサをシャーイールに効率的に結びつけている金属製の輪を通っているより縄を引いた。「シャーイールがあなたの面倒を見るけど、ただ一緒にやってると思っちゃ駄目よ。最善を尽くして、あいつの導きについていきなさい」カリはハマディやその他二人の人間の様子を見に行った。シャーイールはこちらを振り返り、無表情だが、目配せしたのち、ひもを結びロープを巻くために戻って行った。
全員が固定されると、一同は重力場へと踏み込んだ。ニッサは自分の身体が傾いて浮き上がるたび、重力波の力に繰り返し強打されるように感じた。そして最終的に彼らは離陸した。ニッサは、カリが浮かびながら通り過ぎる玉石に縄をかけるのを見てしまうと、自分が生まれたての林鹿のようにぎこちなく不器用であるのを感じた。彼女の動きは滑らかで落ち着いている。一同の命綱はぴんと張りつめ、一人一人が、全員浮かびながら、その岩の表面に、しなやかだが強いコーの縄によって繋ぎ止められているのだ。
カリは浮かぶ玉石の迷路の中一同を案内した。ニッサは、一同が重力場の奥に入ると兄弟二人が一連の入り組んだ手振りで意思疎通するのを見た。数十の巨大な玉石が、互いにぶつかり漂う明白な混沌の中を動いていた。カリとシャーイールは自分たちの同行者を伴い、危険だらけの選択肢を容易に選び取って進んだ。彼らが通り過ぎる岩の表面を捉えるためにロープを放ったり、浮かび上がって新しい玉石へと移動するたびに、そのロープは魔法による腕の伸張のようであった。ニッサは遠くからコーの渡りを見たことはあったが、ゼンディカーの脈動と流れに関する彼らの技術と知識の真価をこのときはじめて理解した。
太陽が南中すると、一同は動きを止め、峡谷に浮かぶ三つの玉石の間につながれたロープに吊るされた状態になった。アリーラはなんて静かで美しい場所だろうと、叫び声が響いて彼らを包む一瞬前に言った。ニッサはその場所を探すべく見回したが音は岩に反響しており、カリが口笛を吹いて下の方を指差すまで方角を捉えられなかった。はるか下方に、ニッサは道滅ぼし——巨人ウラモグの落とし子だ——が、散開した冒険者の一団の眼前の地中から現れるのを見た。一団が人間なのか、エルフか、コーかは区別できないが、そんなことは問題ではなかった。彼女の目はエルドラージに注がれており、それの死を望んでいた。
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ゼンディカーならではの重力無法地帯の描写はワクワクしますね。
続きも今夜中にアップしますよ。
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