【CFB】エルドラージ秘密結社陰謀論【和訳】
昨日の総合フォーマットチーム戦でくそみそな結果になってしまったことについて書こうと思っていたのですが、こんな面白そうな記事を見つけてしまいました。

The Eldrazi-Illuminati Conspiracy Theory - By Brian DeMars
http://www.channelfireball.com/articles/the-eldrazi-illuminati-conspiracy-theory/

タイトルを和訳するとこの日記のタイトルのような感じになるっぽい。スターウォーズやヒーロー映画ネタ満載でユーモアというよりは悪ノリ満載ですが、結構楽しい感じです。

同じ人が双子禁止後、PT前に書いた記事も和訳したので
http://madeinhorie.diarynote.jp/201601211902259128/
ぜひ先に読んでみてください。


*


君は1ドル紙幣のピラミッドの頂点にひとつの目があり、そしてエルドラージの力の源はウギンの目であることに気づいたかい?

偶然かな?

【画像:ウギンの目】

不気味? そうだろう?


(夢の欠けた【※1】)モダン

プロツアー「ゲートウォッチの誓い」、別名プロツアー「エルドラージ覚醒 エピソード2/ドローンの攻撃」は、エルドラージ結社【※2】がモダンの覇権を完全に掌握した週末として記憶に残ることだろう。

6個のエルドラージデッキがトップ8に残り、決勝にいたのは2つだ。

これは陰謀だ。気づいてしまった。
エルドラージは不屈な無色の鉄拳で、このフォーマットを乗っ取り支配してしまったのだ。

「あらゆる場所に何百万人といる色つきのマナの愛好者たちが、突然恐怖に叫び、そして突然黙ってしまったのかのようだ…」【※3】

多元宇宙を通して働き者のセレズニア人やジェスカイが不足している中、カラー・パイの最も大きくてジューシーなひと切れは、新しいエルドラージの君主によって比喩的に貪られようとしている。

【画像:難題の予見者】

タルモゴイフ + 思考囲い。クールなカードだ!

いったい、時代遅れの呪文を古いやり方で(フェッチ切って17に行ってまで)唱えるような、律儀で趣味に走っている魔道士を助けに来る人は現れるのだろうか?


双子シグナルを打ち上げろ

もしも、この荒地単のデッキに対して、まともな防御策やわかりやすい対抗策がありさえすれば…

【画像:欠片の双子】

「彼はドミナリアにふさわしいヒーローだ。だが今は"時"が違う」【※4】

違ーーう!!! 今すぐ来い!!!

不幸にも、バットマンのように、欠片の双子は違法な存在になってしまった。われわれの次元を不当にぶっ壊れたエルドラージデッキから守ってくれることを委任されている制定により、不当に迫害されたせいでだ。

陰謀のつながりの可能性:構築フォーマットでどのカードが禁止されるかを決める立場にある人は、実際にエルドラージなのか、もしくはエルドラージ結社から賄賂を受け取っているのかもしれない。

双子を真っ二つにした禁止改訂告知の余波と、続くエルドラージによる、アトランタの「魔法」【※5】を髣髴とさせるあらゆる人とあらゆるものの虐殺は、禁止の理論的根拠がモダンの多様性を養うことだと考慮しても、僕らを混乱させる。

僕はこの流れの背後にある論理を本当に疑問に思う。エルドラージが支配しているという点を除けば、このフォーマットは(双子がないけど)基本的には以前と完全に同じように見えるからだ。エルドラージデッキに対する明確な対抗策のひとつとして双子が混ざっていたほうが、このフォーマットはより興味深くなっていたと思わないかい?

エルドラージはモダンで古の墳墓【画像はエルドラージの寺院】とMishra’s Workshop【画像はウギンの目】を手に入れているのに、僕はもっさりした祖先の幻視を待機することすら、無事解決するか、そのターンになる前に虚空の杯を置かれる可能性にビビッてできないんだ。

僕が言いたいのは、もしあいつらがあんだけ持ってるなら、僕に最低でもジェイス、血編みん、十手、石鍛冶があってもいいだろう?

【画像:石鍛冶の神秘家】【画像:精神ジェイス】【画像:血編み髪のエルフ】

こんなエルドラージディストピアでは、モダン禁止リストは『X-MEN: フューチャー&パスト #1』の表紙のようだ。すべてのヒーローの顔に「死亡」ラベルが貼ってある。
物事が落ち着いて、もしもウルヴァリンやキティ・ブライドがメタに現れ、エルドラージのセンチネルと接戦を繰り広げるなら、ぜひ見てみたいね。


功績には評価を

この先に話を進める前に、ひとつ強調させて欲しい。
僕はちゃんとした仕事は尊敬している。確かに、僕はパルパティーンが旧共和国とジェダイ騎士団を転覆させ、邪悪なる銀河帝国を設立したのは好きではない。でも結果を変えることはできない。シスはエピソードIIIの最後で完璧にメタゲームを解いたんだ。

エルドラージデッキを練り上げたチームの仕事は、マジで評価に値すると思う。まるで白青黒赤緑のバターを通過する熱いナイフのようにモダンをぶったぎっている。特に、猿人の指導霊+虚空の杯という結論にたどり着いたCFBチームは、だ。僕は概してエルドラージデッキが好きではないけど、お猿さんや一杯のワインと一緒ならデッキがマジでイケてる感じに見えてくる。

このデッキは完全な美そのものだ。
エルドラージではないほぼ全てのモダンデッキに対する、完璧な捕食者だ。

完璧すぎるほどだ… それが実際に現れるとは誰も信じていなかったほどに…


売るドラージ【※6】

やりました。

同僚と僕はPT前にエルドラージのミミックを100枚買った。
僕は自分自身ではパーツを合わせてデッキを組んだりはできなかったかもしれないけど、掲示板に書かれているのを見ることはできた。僕の新しい「ゲートウォッチの誓い」のカードが今や大人気で、値段の上で8倍になっているとはなんてラッキーだろう。

エルドラージのミミック持ってないの?うん。ブースターパックを買って、剥けばたぶんいくつかは…

僕は双子の禁止が、メタゲーム上に弱点を作ることによって「ゲートウォッチの誓い」のカードが輝くような余地を作る故意の策だと言うつもりはないけど、副作用としてそうなってしまったようだ。

実際、仮に意図的だったとしても、僕は必ずしもそれを間違いだとは思わない。結局、しっかりした仕事には敬意を払うべきだし、結果はとてもエキサイティングだった。PT「ゲートウォッチの誓い」の瞬間を人々は記憶に留め、長い間それについて話すことになるだろう。それはいいことだ。マジックはその最大の舞台を、新しいセットを宣伝して売ることに利用できるべきだ。


楽しい事実:

【画像:血染めの月】

血染めの月はエルドラージメタゲームにおいては一層強化されるし、僕らはみんな血染めの月を出されながら戦うのを好む人が果たしてどのくらいいるのかを知っている。うーん、どうかモダンを血染めの月vs虚空の杯フォーマットにだけはしないでくれよ。

僕を見てくれ、僕のエンドステップにバットマンが現れ、物事を健全でフェアにするため4ターン目に自身のコピーを無限に出してきた、あの古きよき時代へのノスタルジーでいっぱいだ。

そろそろ記事の終わりが近づいている。僕はいくつもの違う話題をぐちゃぐちゃに語ってきたから、それらをどうやって結ぶのかについて、みんなは不安でならないだろう。

まず、僕は愚痴を言っているわけではない。みんなを楽しませたいだけだ。

僕が学んだひとつのことは、みんなマジックから違うものを欲しがっているということで、
だから人々は頻繁にゲームにとって「よい」か「悪い」かについて反対するんだ。

次に、僕はこの記事を綺麗な蝶結びにしてチェリーをのっけて終わるつもりはない。
代わりに、跳ね返す掌をキャストして、Folkで倍にして君たちに返してやろう。

・双子は禁止されるべきだったと思う? 今は解禁するべきだと思う?

・もしもプロツアーが(禁止を正統化してフォーマットを「擬似ローテーション」フォーマットにするという対価を払ってでも)新しいカードを宣伝する必要があるとしたら、君たちモダンプレイヤーはモダンPTを欲しいと思う?

・もしもエルドラージが次回の禁止改定時までトップで居続けたら(大前提だ)、君が好むDCIの行動は A)何もしない B)そのデッキから何かを禁止する、 C)何かを解禁する のうちのどれ?

・(もしあるなら)どのカードを次回解禁するべきだと思う?

・君はエルドラージデッキはモダンにおいて問題だと思う?

結局そんなに陰謀の話にはならなかったようだ。

重要な事実は、多くの人がそれぞれマジックにあんまりにもいろいろなことを望んでいるせいで、フォーマットを維持するのは無限に複雑な仕事になってしまっている、ということかもしれない。

禁止改訂に関して僕が望む唯一のことは、そのフォーマットが可能な限り楽しく、エキサイティングで、ダイナミックになるようにということだ。僕は変化も、新しい領域を探検するのも好きだ。信じられないかもしれないけど、僕は新しいエルドラージモダン環境を探検するのが楽しみだ(アトランタから家に着いたとき、ウギンの目を一式貸してくれるようにメール送ったよ)。

僕はヴィンテージのゲームも何千回もプレイしてきたので、おかしなことやナンセンスなことが痛みになる閾値がとても高いんだ。もしもこのフォーマットがブラックホールの中の掃除機よりも難しくなるような結果に終わるようなら、僕が最初に知らせてあげるよ。

今のところは、「ウギンの全能の目よ、万歳!」【※7】だね。


*

間違ってたらごめんなさいね。
自分が気づいた以外にもまだまだネタが仕込んでありそう。
本人が生来真面目なのか飽きたのかわかりませんが、
途中からは結構普通の文章でしたね。

双子禁止のときの記事で「もっと中の人にしゃべってほしい」と言っていたので、
今回「中の人はエルドラージに違いない!」と書いていたのは笑いました。

【訳注】

※1
原文は"A Dream Devoided"。「欠色/Devoid」とかけている。

※2
原文は"Eldrazinati"。Eldrazi+Illminatiだと思われる。

※3
スターウォーズエピソード4の台詞、
"I felt a great disturbance in the Force, as if millions of voices suddenly cried out in terror, and were suddenly silenced..."
が元ネタらしいです。

※4
映画ダークナイト(バットマンのアレ)の台詞、
"Because he’s the hero Gotham needs, but not the one it deserves right now"
が元ネタ。
双子の絵が女性っぽいのにHeのままなのも元ネタゆえですかね。

※5
何を指しているのか不明。ぐぐってもストリップバーしか出てこなかったよ。

※6
原文は"Selldrazi"。ここを訳すためにこの記事に手をつけたと言っても過言ではない…

※7
秘密結社イルミナティのシンボルはピラミッドと一つ目で、
"All hail the All-Seeing Eye"がその合言葉らしいっす。

コメント

MoscowMuller
2016年2月13日11:33

翻訳お疲れさまです。これ、訳しがいのある面白い記事ですよね。さらっと読んでわからないネタがけっこうあったので、誰か訳さないかなあと思っていました。

戦略カナルベイ
2016年2月13日21:08

コメントどうもですー。「売るドラージ」は自分でツボに入っています。

僕自身はあまりCFBの記事を本文まで読んでいるわけではありませんが、ブライアン氏はとてもユーモアのあるの文章を書くうえ、安易な結論を避けて読者に考えさせる締め方をするのでいいですよね。ファンになりそうです。

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