【CFB】How to Defend Yourself Against a Bluff - By Paulo Vitor Damo da Rosa【第一回】
前回のが途中ですがそこは別の方が訳してくださったので後回しにして、
http://www.channelfireball.com/articles/how-to-defend-yourself-against-a-bluff/
その続編である「ブラフから身を守る方法」をやってみます。

絵は《滝の断崖/Cascade Bluffs》。
洒落が効いてますね。

全二回です。続きは↓
http://madeinhorie.diarynote.jp/201606230327005107/

*


先週、僕はみんなに対戦相手の考え方に影響を与え、自分の目的に合うようにさせるにはどういうプレイをすればいいかを説明した。今日はそういったプレイから自分自身を守る方法について説明しよう――自分が操られていることを認識する方法と、それを防ぐ方法だ。

重要なのは、これから説明するのはあくまで僕にとってのやり方であって、誰にとっても正しいやり方ではないということだ。僕は論理的プレイヤーだ――分析するのは状況とプレイであって、しぐさや表情じゃない。僕と反対のスキルセットを持っている人にとって適当なものではないということもありえるけど、それでも僕のやり方は大多数のプレイヤーにとって有効なものだと思う。


ポイント #1:プライドの問題ではない

この記事から何かしら学びたいと思っているなら、まずはこれだ――ブラフを見破ることは決してプライドの問題ではない。ブラフを見破れば自分は賢いかのように感じるし、ブラフに騙されれば自分はなんて愚かなんだと思うだろう。でも結局、それは対して重要なことではないんだ。ブラフをかけられてもまったく問題ないし、ブラフに騙されるのは決して恥じるべきことではないということを理解するべきだ。僕個人は、対戦相手がカードを持っていないときのブラフを見破ることに成功した人よりも、筋の通ったブラフに騙される人に敬意を払いたい。論理に従ってプレイする人であれば、たとえ特定のタイミングで失敗したとしても、長期的に見れば勝ち続けるはずだからだ。

ブラフに見えるプレイや心理戦に直面したとき、プレイヤーは自分自身に「対戦相手はブラフをかけているだろうか?」と問いかけ、状況を評価して「イエス、相手はブラフをかけている」か「ノー、相手は実際に手札を持っている」という答えを出すことに最善を尽くそうとする。筋書きを分離して、対戦相手の心を読み取れたかどうかで勝敗が決まるミニゲームに変更してしまうんだ。実際のゲームに与える影響をまるで無視して。問題なのはこの手のミニゲームで100%正しくなんかはなれないってことで、さらに、もし間違ったらひどい結果になり得るわりに、正しかったときの利益は無視できる程度のものかもしれないってことだ。

ほとんどの場合、対戦相手がブラフをかけているかどうかは問題ではない。だから結局、自分の努力をもっぱらこの手の心理パズルを解くために費やすのをやめるべきだ――どうせできるはずもない。代わりに、リスク/リターンの分析を行うようにしよう。対戦相手がブラフをかけているかどうかに気を配る必要はない――そうだとして、実際に何が起きるかに注意するんだ。感情をすべて無視して、4つの問いを自分自身に投げかけてみよう:

・対戦相手がブラフをかけていて、自分が乗ったら、何が起きる?
・対戦相手がブラフをかけていて、自分が乗らなかったら、何が起きる?
・対戦相手はブラフをかけておらず、自分が乗らなかったら、何が起きる?
・対戦相手はブラフをかけておらず、自分が乗ってしまったら、何が起きる?

原則として、自分が有利なときは、自分がとるリスクを最小にするべきだ。最も破滅的なシナリオを呼び込むようなプレイを避けるために。もしも自分が不利な立場なら、勝ちに行くための材料はどんなに小さいものでも欲しいだろう。それなら悪い結果がありえることを覚悟してでも、積極的にリスクを取りに行っていい。

【画像:セラの天使】

一番わかりやすいブラフの例を挙げてみよう――君はタップアウト状態で、対戦相手は引いたばかりのカードを手札に持って、君のセラの天使に向かって2/2で突っ込んできた。君はライフ20で、対戦相手は4だ。ブロックするかい?

何が起きるか分析してみよう:

・対戦相手がブラフをかけていて、自分が乗ったら、君はどうでもよさそうに見える相手の2/2をいただける。
・対戦相手がブラフをかけていて、自分が乗らなかったら、2ダメージをもらう。
・対戦相手はブラフをかけておらず、自分が乗らなかったら、同じく2ダメージをもらう。
・対戦相手はブラフをかけておらず、自分が乗ってしまったら、セラの天使を失って、負けるはずのなかったゲームを落としてしまうかもしれない。

だから、答えは「ノー、ブロックしちゃダメ」だ。対戦相手はブラフをかけている?知らないよ。でもどうでもいいんだ。ブロックするのはここでは悪手だ。利益があったとしてもごくわずかなものなのに、悪く転んだ場合はゲームを落とすからね。上の例で言うと、4個めの選択肢はほかよりもずっと最悪で、ブロックしないことがどのくらい正しいのか数字で言うこともできない――もしも対戦相手が手札を一切持っていなかったとしてもブロックしない、念のためにだ。95%の確率で相手に何もないとわかっていたとしても、基本的にはブロックする理由は一切ない。君が小物を潰して満足できるということを除けば。最終的に、2点のダメージ(あるいは4点かも、6点かもしれない)くらいは喰らってあげて、対戦相手に君を騙しきったという満足感とともに去ってもらえばいい。そのとき君はスリップを持ってマッチポイント3点までもらっているんだから。

似たような状況がPTテーロスで起きた。僕は赤単信心で、相手は赤単アグロだ。僕は山から始めて、対戦相手は2/2のラクドスの哄笑者をプレイした。僕が山からフロストバーンの奇魔をプレイしたら、対戦相手はアンタップ後攻撃してきた。

僕は盤面を見て考えた。思考のプロセスは以下のように続いた:

【画像:ショック】【画像:マグマの噴流】【画像:稲妻の一撃】

「オーケイ、この状況なら、対戦相手はアタックし得だ。手札は何だろう?ショック、マグマの噴流、もしくは稲妻の一撃。ほとんどのリストでは合計8枚だ。対戦相手は1枚持ってるかな?かもしれない。でも使いたくはないだろう――相手は僕がブロックしないことを望んでいるはずだ――2マナ域の生物を追加でプレイしたいに違いない。多分稲妻の一撃ならあったとしてもプレイしないこともありえる。2点ダメージを理由なく通そうと僕をひっかけているんだ。馬鹿にしやがって!こいつを通してタダで2点ダメージもらったりしないぞ。」

だから、僕はブロックした。対戦相手はマグマの噴流を唱えてそれは通った。そうしてから僕は自分の手札を見た。炎樹族の使者、燃えさし呑み、燃えさし呑み、嵐の息吹のドラゴン、そしてニクソス。4枚目の土地を引いたときには、もうすでに手遅れだった。

さて、どこで間違えたのだろう?僕は間違った質問を問いかけていたんだ。対戦相手が自分を出し抜こうとしているかどうかを理解しようとしてしまった。個人的に考え、感情的になってしまった――騙されたくなかったんだ。僕がやるべきことは単に2点ダメージもらって、対戦相手の攻撃成功を祝いつつ、2マナ生物の登場も許してやって、3ターン目に燃えさし呑みをキャストして、更なる怪物どもであとに続ければよかったんだ。長期的に見れば、2点ダメージくらいはぜんぜん大したことはなかったはずだ――ブラフに巻かれても大したことはなかったんだ。僕は「対戦相手はブラフをかけているだろうか?」という疑問を、「その場合何が起きるだろう?」という疑問の代わりに持ってしまったせいで、基本的に負け得ない状況で負ける唯一のプレイをしてしまった。そして僕の答えが間違っていたとわかったときには、大惨事が起きていた。


ポイント #2:避けられないものを避けようとしない

よし、対戦相手が特定のカードを持っているかもしれないし、そうではないかもしれない、という状況に来たとしよう。次に君が自分自身に聞かなきゃいけないことは「それを避けられるか?」だ。

先週、もしもブラフをかけようとするのなら、必ず対戦相手に逃げ道を残しておく必要があるということを教えた。ブラフから身を守るために、今度は実際自分に逃げ道があるのかどうかを認識しなくちゃならない。単純に要約すると、もしも自分に何もできることがないのであれば結局どうしようもないのだから、自分の心配が事実でないことを祈るしかない、ってことだ。

Ross Merriam対Patrick Sullivanの例で言えば、PatrickはRossに、自分の手札に止めを刺すための火力呪文があることを確信させた。だが、Rossは自分の見積もりが正しければどうせ勝てないと気づくべきで、だから間違っている前提でプレイするべきだったのだ。

【画像:森の代言者】

筋書きはそんなに劇的である必要もない。例えば、スタンダードのバントのミラーマッチで、
プレイヤー1は2ターン目に森の代言者をプレイし、プレイヤー2も同じく自分の代言者をプレイした。3ターン目に、プレイヤー1が殴って… プレイヤー2はダメージを受けた!これはハイレベルなプレイヤー同士での話だ。このプレイがヘンテコなのは、ここで避けるべき呪文、ドロモカの命令は、ブロックしようがしまいが防御側の森の代言者を殺せるからだ。実際、ドロモカの命令を使いたいと思っているのなら、攻撃側プレイヤーが戦闘前にパンプ+格闘のモードで使用するのは確実だろう。ブロックしないことはドロモカの命令を避けられるという理由にならないのだ。単純にドロモカの命令を避けることはできないのだから。
(だけど、たとえばチャンドラ入り緑白デッキのニッサの誓いとか、ほかに何かを戦場に出している場合はこのプレイは正しいかもしれない)


*


つづきます。

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